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混雑していると分かっていても、行かなければならない。
今日、有給を取って嫁とディズニーに行った。
我が家は舞浜から電車で40分程の距離に位置しており、そのルートは普段僕がすし詰電車と称する通勤ルートとほぼ同じものだ。
今日は、普段通勤に利用する電車よりも15分だけ遅い電車に乗った。
するとどうだろう。密着率300パーセント、不快指数800万を超えるいつもの電車と全く違う景色が広がっていた。
「たった15分の差で、これだけ電車が空いているのか…」
僕はそう驚いたと同時に、ある考えに至った。
会社組織に所属していると、選べない選択肢がたくさんある。
たった15分後の電車に乗れば空いていると分かっていても、ほとんどの勤め人はその選択肢を選べない。組織のルールが絶対であり、どんな状況であろうと組織として9時出社と言われれば9時に出社せねばならない。これが勤め人の宿命だ。
しかし、会社組織に所属することを辞めさえすれば、この選択肢を選ぶのは容易な事だ。15分後の電車に乗るどころか電車に乗らなくたっていい。
こうした選べない選択肢が、勤め人にはたくさん存在する。
例えば、もうすぐゴールデンウィークだ。
勤め人は旅行の日程も最も値段が高い日を選ばなければならない。ゴールデンウィーク等の長期休暇は飛行機のチケット代が平時の5倍なんてザラである。
平日のアパホテルは2000円以下で泊まることができるにも関わらず土日はその7倍だ。
しかし、我々はそうした事実に目を背け、仕方ないと諦めて平時の何倍ものお金を払ってゴールデンウィークに旅行に行く。
失うものはお金だけではない。
同じ金額のモノでも需要の数が増える程提供されるサービスの質も落ちるのだ。
ゴールデンウィークの飛行機のチケットは値段が高い事に加えて、サービスの質も良くない。
平日に出張で飛行機に乗ると、人はほとんどいない。一席しかチケットを購入していなくても両隣りは空席となっており、人数が少ない為キャビンアテンダントのサービスも上質だ。
しかし、休日の飛行機で同じサービスを受ける事は不可能である。求めるのであればただでさえ高い休日料金に加えて、座席そのものをランクアップする必要がある。
結局、勤め人を続けている限りいつまでたっても僕たちの選べる選択肢は限られる。平日、休日、オンオフ問わず、勤め人としての選択を選ばざるを得ないのだ。例えそれがどんなに損をする事だとわかっていたとしても。
まずは考えよう。どんな選択肢が広がっているのか。
残念ながら明日からいきなり8時30分以降の電車に乗る選択は、会社に飼いならされた僕たちに選ぶことはできない。今の僕の能力では電車に乗らないという選択肢も選べなければ、たった15分電車を遅らす選択肢すら選べないのだ。悲しい事だが明日僕は8時25分の電車に乗る。それが現実だ。
しかし、諦めたら、一生その選択肢を選び続けるしかない。まずは脱出を目指そう。いつか今選べない選択肢を選べるようになるために。