最近、落合陽一氏の新作「デジタルネイチャー生態系を為す汎神化した計算機による侘と寂」を熟読しています。
AI関連の本が世の中に出てきて久しいですが、最近はどの本を読んでいても未来においての仮説が収束してきた気がしています。
それは、AI時代の突入により「人工知能を扱うものと人工知能に扱われるもの」で二極化し、格差がますます大きくなるということです。
そして、この時代になることで、「大企業で出世を目指す人間は、AIによって淘汰されていく。」という想定をしています。
今日はその話をしようと思います。
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Contents
人工知能ってそもそもなんだ?
あなたは人工知能についてどれくらいご存知でしょうか?
人工知能とはArtificial Intelligenceと書かれますが、少々雑多なバズワードとして世の中に認知されています。
ぼくも専門家ではないため詳しい見解は避けますが、ざっくりいうと脳と同じ仕組みをプログラムとして作成したものです。
例えば、ぼくたちはりんごという単語を聞くと、「赤くて」「丸くて」「食べられて」「酸味があって」「美味しい」「果物」という認識を持つでしょう。
この認識は、幼少期の学習を通じて導かれます。
りんご=赤くて、丸くて、食べられて、酸味があって、美味しいという事を経験し覚えていくわけですね。
そして、りんごというものは「果物」という言葉に分類されることがわかります。
りんご、とバナナ、とみかん、は果物と認識している。では、「ドラゴンフルーツ」ってなんだ?ってなったときに「果物」というカテゴリを知っていれば、ドラゴンフルーツ=果物として分類することが出来ますね。
このように、人工知能とは膨大なデータをアップし、その相関関係をデータとして蓄積することで、データ同士の結びつきを学習し、認知できる技術です。
これは機械学習(Machine Learning)とも呼ばれます。一番わかりやすいのは囲碁AIですね。あの人工知能は勝つための条件(目数が多ければ勝ち等)をいれ、膨大な棋譜をデータに読み込ませることで、最善の一手をマシンが学習していくというものです。
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多数のデータを基にした判断軸が出来れば、意思決定をする上司は要らない。
様々な情報をインプットし、その情報を元に結論をだす。
この技術が発展し、会社に浸透していくことで”意思決定に関わる人間”が淘汰されていくというのが多くの人工知能系書籍で導き出される仮説です。
営業会社を想像してみてください。営業成績・販売台数・原価・作業時間・成果物・・すべての数字をデータとして読み込ませたら、「どうすれば営業成績が増えるか?」「最適な原価構成は何か?」なーんてAIが意思決定出来るような気がしてきませんか?
実際、既に企業のシステムではAIが利用されています。
例えばSenseという営業管理システムは行動履歴等を記録し、そのデータをもとに顧客への連絡時期、メールの文面なんかをサジェストしてくれます。これが出来たら中途半端にアドバイスしてくる上司なんていらなくないですか??
データによる経営判断が可能となれば人間の管理コストが下がります。生産性が低い人間にはアラートをかけ、生産性が高い人間は奨励する。
こうした判断は人間の直感的、経験的観測よりもデータに基づいた指摘が合理的なのは明らかでしょう。
この結果必要が無くなる人間がいます。
それが、世に言う”中間管理職”というものです。
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AIの存在で中間管理職がいらなくなる。
実際に、「AI時代に生き残れない中間管理職はこんな人」――冨山和彦の正解という記事では中間管理職の8割がいらなくなるとの見解が述べられています。
中間管理職の一番の役割とは、トップと現場の開きを埋めることです。
もっとお金を稼ぎたい社長と、なるべく仕事を楽にしたい実務担当者、両方の立場を考え、最適な負荷をかけるのが中間管理職の役割です。
ですが、仮にすべての現場情報が数字として可視化され、統計的手法を元に提言してくれる人工知能があったら、経営者はなんと思うでしょう?
中間管理職に高いお金を払うよりも”実務が出来る人間”にお金を払いたくなると思いませんか?
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人工知能に使われて生きるか、人工知能を使いこなすか。
以上の考察を踏まえると、”会社を経営する社長”と”実務が出来るスーパースター”が今後の経済で圧倒的な富を持ち、人工知能を使いこなすものとなります。
そして、”中間管理職オッサン”と”実務作業者”は差別化出来ず人工知能に使われる存在となる。
旧来のキャリアモデルにおいて破壊と再生が今まさに起きているといっても過言ではないでしょう。
こうした時代の流れを見ていると、大企業で出世を目指すという考えが如何に古典的な発想であるか感じますね。
現場で頑張って、出世を目指して、少しずつ楽になっていく。
そんなチンタラしてたら課長になる頃にクビ切られて終わる可能性を秘めています。
「今の自分がしている労働の代替可能性はどれくらいだろうか?」
20代・30代は確実に意識しなければいけません。
自分が今いる業界が、今後AIが入ってくることによってどのように変化していくか?しっかり見定める必要があると思います・・沈む船で働くくらいなら、確実に今後人手不足になっていくであろうIT業界で世の中の動向を見つつキャリアを考えるのも一つの手だと思います。
- TECH::EXPERT:未経験からプロのエンジニアスキルを身につけることのできる短期集中プログラムです。無料の教材や通常のプログラミングスクールよりも一歩リードしたエンジニアスキルが手に入ります。
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